これまで当院に寄せられました質問の中から、特に多い質問をご紹介致します。
これら以外でも、頭や脳の病気などで気になることやお悩みなどありましたら、お気軽にご相談下さい。
A1.慢性頭痛(いわゆる頭痛持ち)の双璧は、緊張型頭痛と片(偏)頭痛です。
これらは脳卒中などの脳疾患とは直接関連はなく、生命には影響しませんが、日常生活を脅かす場合があります。
緊張型頭痛は肩こりや後頭部の筋肉の緊張からおこり、押さえつけられるような、締め付けられるような頭痛です。
片頭痛は、三叉神経血管系の活性化により発生し、拍動性で、突き刺すような頭痛で、光過敏などを伴うことがあります。
通常の鎮痛剤だけでは効果が乏しいことがあり、緊張型頭痛では筋緊張を和らげる薬、片頭痛ではトリプタンという薬が効果的です。慢性頭痛は、精神的、肉体的ストレスが原因となることが多く、ストレスコントロールが肝要です。
一方、頭痛持ちの方がたまたま、生命に関わるような脳卒中や脳疾患をおこすこともありますから、いつもとは違う激しい頭痛で心配なときは、専門医を受診し、適切な検査、治療を受けることをお勧めします。
頭痛の原因を明らかにするだけでも、不安を解消することができて、頭痛が軽減することも少なくありません。
A2.年をとれば、若い時に比べ物おぼえが悪くなり、足腰が弱くなります。
生理的加齢現象であることも多いのですが、日常生活に支障を来たすようになると、病的認知障害かもしれません。病的認知症は、アルツハイマー型認知症などの変性疾患が最も多く、次いで脳血管障害に伴う脳血管性認知症、両者の混合型で大部分を占めます。
治療としては、生活習慣や環境を整えることが重要で、認知障害の悪化を防ぐ塩酸ドネペジルという薬もあります。ご家族、周囲の適切な対応が肝要です。一方、治療可能な認知症もあり、脳の外側に血液が貯まる慢性硬膜下血腫や脳内の脳室に水が貯まる正常圧水頭症などは、外科手術により症状は改善します。また、抑うつ状態・うつ病や睡眠薬・安定剤などの副作用の場合などもあります。
仕方がないと諦めないで、まず、認知症かどうか診断し、対応・治療を検討するため、早期に専門医を受診することをお勧めします。
A3.MRIは核磁気共鳴画像、CTはコンピューター断層画像のことで、脳を輪切りにしたような像(断層像)を観察することができます。
MRIは磁石の作用で撮像し、CTはレントゲンを用います。よって、CTには僅かながらも放射線被爆があります。MRIは磁石に反応する金属物が体内にあると検査できず、特に心臓ペースメーカーは禁忌です。近年の手術では、MRI検査可能な金属を用いていることが多いのですが、10数年以上前だと検討が必要です。
MRIの特長は、水平、縦、横など任意の断層面で撮像できることです。
また、骨の影響を受けないため、小脳や脳幹の観察に優れています。
更に、造影剤を用いることなく頚部、頭部の血管を撮影することができるため、動脈狭窄や脳動脈瘤などの検索が可能です。
一方CTは、外傷による骨折など骨の観察に優れています。また、条件にもよりますが、撮像時間がCTでは5分前後と短く、更に、機器による圧迫感や検査時の音が小さいため、検査を受ける人の精神的負担が軽くなります。
当院では圧迫感を軽減させるため、外側が開放されたオープン型MRIという最新機種を導入しています。検査機器の特徴を考慮して、適切な検査を受けることが肝要だと思います。
寝ているだけで、痛くもかゆくもなく受けられる検査です。
当院では、受診したその日に検査し、結果を説明します。
不安がらないでお気軽に検査をお受けください。